長月みそかの個人ブログ
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少女素数第7話
第7話も無事にお届けできました。
今月は2ページ増ページの18ページです。
同誌の他の作品に比べると圧倒的に少ないページ数ですが、それでも綱渡りで、無事お届けできたことに今月も胸をなでおろしています。

今月は、掲載単位でいうと2ヶ月ぶりに搗栗(かちぐり)家に戻ってきましたが、まだ作中では8月下旬です。

デビュー以前からのネット上に上げる文章が内省になってしまうクセがつづいていて、先月もそういったエントリーになってしまったことで、知人から「心情がどうあれ、作家は堂々としているべきだ。自信がないのを表に出したり言い訳するべきではない。」との指摘を受けました。
たしかに、逆の立場で考えたらもっともだと反省。

さてはて、ネタバレはかくべきではないし、言い訳じみた内省も書くべきではないとなると、ブログにはなにを書くべきだろうか?

とりわけ趣味もなく、漫画家のくせにおもしろいことがまったくいえないので、こうなるとひどく困る。
他の作家さんのブログなどみていると、時間を上手に工面して趣味を謳歌していて、そういったエントリーは実に興味深くおもしろい。

自分の数少ない趣味のアメフト観戦は、今年もシーズンインしているので、仕事を調整して最低でも週に1試合はなんとか見れるようにしているんだけれど、アメフトの話をしてもマイナーすぎて・・・ね。

先日修羅場明けに、川崎の工場地帯見学ツアーというのに誘われて行ってきました。
デビュー前によくつるんでいた絵描きの友人にも数年ぶりに会えました。
ツアーは面白く、スチームパンクの世界さながらの工場群にときめきながらも、友人と顔をつき合わせて「かっこいいけど描きたくはないわな・・・・」と苦笑い。
ただ、少女素数では舞台が舞台なので、描く必然性がでてくるかもしれない。

このまま順調に行けば、年内に単行本一冊分の原稿がたまって、来春には1巻がでることになります。
とりわけイチオシされているわけでもない無名作家の作品なので、人気がなければ当然打ち切りになって単行本にならないということもありえるので、せめて想定しているエピソードが収めきれるだけは続けられるよう、今後も頑張って行きたいと思います。

毎月の繰言になりますが、今月も楽しんでいただければ幸いです。


少女素数第6話
無事に落稿することなく第6話も掲載され、お届けすることができました。

しかし今回またフィニッシュ最短記録を更新してしまった。
記録といえば聞こえはいいけれども、実に不名誉でかつ口惜しい。
つまりは大幅にネームがおしてしまい作画にかける時間がなかったのだ。
シルバーウィーク進行であったことを考慮しても反省すべき事柄。
いつもよりも荒いフィニッシュワークについては単行本で修正したい。

とにかくいろいろ悩みすぎた。
この半年の間に、知人や読者、さまざまなところからメール等で「少女素数」への意見をいただくことになり、その内容は共感・感銘といった賞賛から、手厳しい意見にいたるまでさまざま。
賞賛である部分については今後も頑張って生かして行きたいが、問題は後者。

どれもそれぞれ一読者としての意見である以上、どんな意見であっても的外れであるわけはなく、当然見過ごすわけにはいかないし、すべて自分の力不足を痛感するに十分な内容であった。

いくつかの手厳しい意見に共通した内容として「自己満足で終わってるのではないか?」というものがあった。
自己満足で終わっているようにしか見えないのであれば、それは間違いなく自分の力不足。

しかし、自己満足であることは否定しない。
ただ、描くことに自己満足をしているというわけでもない。
自分自信が読んでよろこべないものを描いてどうするという信念に従ってるということなので、自己満足であることに対しては実はさほど後ろめたさは持っていない。
それでも、それで終わってしまっているようにしか見えないのであれば、これは由々しき問題だ。

賞賛してくれるひとがいる以上、僕が何を読みたいとおもって、何を伝えたいと思ったかは感じ取れてもらえているということになるが、それが共感をもってくれたごく一部の読者でしかないというのもまた事実。

当然、商業誌である以上、よりおおくの人に伝えるべきが伝わらなくてはならない。

そういった忸怩たる思いを抱てネームにとりかかることは多かったし、回を追うごとにその思いはいやましてきたが、そうやって考えに考えてこねくりまわしたネームは、まとまってこそいれど毎回ひどくつまらないのだ。

少なくとも僕にとっては。

そのままではとてもじゃないが外には出せないから、なるべくそういったことを頭から除外して、心底楽しんで描こうと仕切りなおしている。

僕にとって面白いと思えるなにかと、より多くの読者さんにとって読めるわかりやすさ。
これを両立できるような力を身につけなくてはならない。

もちろん、これから力をつけようなど、商業作家としては泥縄にもほどがあるのだが……
「考えているうちは すべて名作」なんていう力のない作家を皮肉るフレーズどおりになってしまうのは、ひどく悔しい。
心の中の名作の予感を、現実に変えてこそ作家であろう。
そうありたいと切に思う。

商業作家としての大前提の責務に、だれにでも読めるわかりやすい面白さの提供というのがある。
そしてさらに「自分が面白いと思えないものを出さない」ということも作家としての誠意だとおもう。
僕としては、前者をなしえていない今の力不足は恥じるとしても、後者についてはまるで恥じていない。

今までに一度として、自分で面白いと思えないものをだしたことがないというのが僕の誇りである。

だから、第6話の今回も今までどおり、もっとよい描き方はあったかもしれないが、僕としてはとてもおもしろいつもりなのだ。

ファンレター・批判、どっちも僕の糧で、とても感謝している。
少女素数を心待ちにしてる人はもっと喜ばせたいし、お気に入りの雑誌にどこが面白いのかわからない作品が載っていることに苛立ちを覚えている人にも、楽しい時間を提供できるようになりたい。
そのためにもっと頑張りたい。

さて、内省的な話はこれくらいにしておいて閑話休題。

第6話の今回、雑誌の発売日は9月下旬ですが、エピソードとしては第5話の数日後でまだお盆すぎです。
第3話で軽く触れていましたが、ワンフェスが終わってひと段落の富士夫はあんずと母方の叔母姉妹の家をはしご、ママとすみれは実家に行っています。
さすがに父方方面の里帰りは難しい様子です。
そして福生という地名がでてくることからも、今回の少女素数は関東が舞台になっていますが、脱稿してから知った事実として、関西では「あんず飴」ってマイナーなんですね?

HRとは違い、これからは掲載月とエピソードの季節はずれ込んでいく予定になっています。
そうじゃないとエピソードの展開が速くなりすぎてしまうので……


少女素数第5話
まだ発売日には1週間ほど間がありますが、第5話も無事に脱稿しています。
本来ならこんなことを言わずとも、脱稿していてあたりまえなんだろうけど、毎回ぎりぎりのタイトロープだから、僕にとっては特筆すべきことなんです。

今回は、プロットが立った時点でほぼ全体のビジョンがはっきり見えていました。
口頭でプロットを伝えた担当とも完全にビジョンの共有ができ、「うまく描けたら絵的にすごい回になりますね」という担当の言葉に気をよくした僕はさらにイメージをふくらませて、語り続けました。

そうしてひとしきりしゃべったあとに

いや、待てよ。
口で言うのは簡単だけど、描くのは大変そうだぞ?
描くのは僕じゃないか?

自分で思いっきりハードルあげて、自分の首をしめていたことに気づきました。

プロットはすぐにあがったものの、ネームは大苦戦。
お盆進行もあり、作画に残せた時間は相当短くなったけど、それは自業自得なので、許された時間で魂削って描きました。
--ちょっと死ぬかと思った--

かなりイメージしてたものには近づいたと思う。
自分の中にしかなかった空気の温度、臭い、音。
そういったものがきちんと伝わる出来にはなったんじゃないかなあ。

この夏、忙しくて遊びにいけなかった人たちに、あんずたちとの夏休みのひとときを過ごして貰えるような。
そんな回であったらいいなと思います。


少女素数第4話
少女素数もなんとか第4話。
無事落とさず・・・・これましたが、今回ほんとにあぶなかった。
ネームをひっぱりすぎて作画は今までで最速ペースを記録しました。
ただ、「あでい」のころに比べれば密度も精度も上がってるので、その上で速度もあがったということは、まだまだ成長してるんだなあと実感。
しかし、毎回このペースでやってたら体が持たないし、クオリティ維持も危ないので、もう少しネームを早くあげるようにしたい。

アンケート結果もそこそこよい感じだと聞いています。
言われるまで僕はきららにアンケートあったことさえ知らなかったんですが、アンケート出してくれてた人には感謝です。
アンケートつながりでいえば、今月は読プレ素材も寄稿してますので、巻頭の詳細ページを是非ご確認ください。

考えてみると、ポスター抽選で3名様 って少なすぎやしないかと思ってたんだけれど、芳文社からしたらケチなんじゃなくて、むしろ大冒険なんだなあと思った。
複製だから刷れば刷るほど安くなるはずのところを3枚にとどめるってことは、1枚アタリの費用は相当なものだ。

まあ、書き手としては、折角書いたものはより多くの人に手にとって欲しいので微妙ではあるのだが・・・。

単行本なりで再録できたらなあと思う。



連載前に予告したとおり、少女素数はいままでとは毛色の違う方向性に挑戦しているので、かなり不安は大きかったんだけど、ファンレター等見ていると、僕の表現したかったことをきちんと汲み取ってくれた上で喜んで貰えてることが確認できて、とても励みになっています。

今回もたのしんでもらえるだろうか?
相変わらず発売前は不安と期待でドキドキします。


馬鹿な話
先日、献本で来ていたフォワードを読んでいました。

「けいおんコマだとこうなるんだ?」「お、一年生は西武線かぁ」 「メリー盛り上がってるなあ」と読み進め、次の漫画を読み始めたとき

「む?なんかデジャヴュだな?この作品知ってる気がする」

そりゃそうだ。自分の作品だ。
わずか数秒とはいえ、ひどくばかげた感想をもってしまった・・・・。

あと、もう少し気づかないでいれたら、客観的な視点で少女素数を読めたかもしれない。
ムリだろうけど、もったいないことをしたような気がしました。

毎回プロットではだいたい倍くらいのエピソードを考えてるから
そこから、冗長になるところをそぎ落としてあのボリュームになっています。
なかには、ここをそぎ落としてよかったんだろうかと不安になる部分もあります。
ものづくりは引き算だと教わったけれど、実際それをするのは難しいのです。

所謂ゲシュタルト崩壊。
コレでいいのか分からない。
頼みの綱は、担当編集のみ。

たまにもうすこし客観的に読めたらと思うことがあります。


アシスタントに聞こうと思ったら
「どっちがすみれでしたっけ?」と・・・・・

ごめん・・・ボクが悪かった

ただ、線画だけの後姿だとすみれとあんずの区別は難しいので、HRのころに比べればネームは見てくれているらしい。
「あでい」の1話から皆勤でやってくれているんだけど、相変わらずベタ以外なにを任せたらいいのか決めかねています。
「旦那の作品は背景も込みで旦那の作品だから、手伝うところないんですよね」といわれれば、たしかに背景なんて美味しいところを任せてしまうのはもったいないと思ってるから、となるとベタくらいしかないのが現実。

とりあえずアシスタントに3話まで読んでもらってから、感想を聞くことにしました。
「うーん・・・・・・個人的に感じたことはあるけど、長月みそかの読者がそう感じるとは思えないから、あえて言わないでおきます。」
うまいこと逃げられてしまいました。

まあ仕方ないかと、諦めていたら
「ただ一つだけ言わせてください。2話目のパンツの落ちは説明不足だったと思います。」

なるほど。やっぱりそうなのか。
それを認めてしまうと、当時ゴーサインを出してくれた担当さんを否定することにもなりかねないので少々複雑なんだけど、きっとそう感じた読者さんも少なからずいたであろうと再認識。

だから、どうするべきだったのかは今さら考えることじゃないから、それは今後の課題。
何を引くべきか、何を引いたらいけないのか。
冗長ではいけないし説明不足もいけない。

これは本当に難しい問題です。


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